高配当株、昨今のFIREという概念ではこの高配当株が注目されていますが本当にこの高配当株だけでうまくいくものなのでしょうか。
資産には大まかに2つあります。
キャピタルゲイン:資産売却で得られる利益(保有株や投資信託、不動産の売却益等)
インカムゲイン:保有資産から得られる利益(株の配当、不動産からの収入等)
今回はインカムゲインの中で株の配当、特に高配当を出してくれる株のお話になります。
高配当株の定義ですが、配当利率がどれくらいで高配当株と定義するかは人によります。FIREというアーリーリタイアするに当たり高配当株で賄う人の考えのひとつには月10万円の配当をというのを見受けられます。前回のレバナス100でちらっと記載しましたが、月10万円を得るには年120万円の配当が必要になります。配当率に直すと年平均4%です。
配当率平均年4%の配当株で年120万円を得るには3000万円分の株を保有している必要があります。実際は税金がかかるので3000万円以上になります。年月がかかる投資戦術ですね。
根本的に時間とお金がかかるやり方ですが、投資そのものが時間とお金がかかるので今回はそれ以外の問題点を見ていきます。
自分で面倒を見る
よく配当で不労所得生活をという言葉があります。まず、不労=労働をしないで得られるという面では確かです。ですが、購入した株の面倒は誰が見るのでしょうか。答えは自分です。インフルエンサー、youtuberに踊らされ購入してみたはいいものの配当額が下がる、株価は下がる、TOBに巻き込まれる、上場廃止になる等、その株に起こる事柄を彼らは教えてくれるでしょうか?答えはNOです。
彼らは「購入するのは自己責任です」と謳います。お勧めの株はあげるもののその後のことについては見向きもしません。どうなろうが知ったこっちゃないのです。
3%から7%ぐらいの配当率の株を購入し、上記の事柄をチェックし月10万円の配当まで持っていけるでしょうか。FIREという概念なくしてお小遣いとして月3万円の配当でもかなり労力を取られます。

時間を取られる
購入した株について、決算書を見て、ニュースを見て継続するのか、購入するのか、売却するのかを判断しなければいけません。
有名企業であれば、ニュースに上がりますが中小企業であれば、ちょくちょくポートフォリオから「取引注意情報」銘柄になっていないかチェックしなければいけません。
また、高配当株でも配当を餌にして株を購入させようとする企業もあります。業績を見たり今後の展望を見て購入するかどうかを決めたりします。
全然不労ではないです。不労所得は働かずににというか働く時間を浮かせて余暇時間を作るはずが、チェックに時間を取られてばかりでは本末転倒です。むしろ、投資家へ鞍替えする気持ちで取り組む必要があります。
株価が上がれば配当率は下がる
当たり前のことですが、株価が上がれば配当率は下がります。
例えば1つの株価と配当額及び配当率を上げましょう。
購入時:株価1000円で配当40円 配当率4%
数カ月後:株価2000円で配当40円 配当率2%
では、このとき売却してキャピタルゲインを得るのか、そのまま継続していくのか。
株券はそもそも出資した証になるものです。従い、出資した見返りとして配当を得る、上昇して売却して利益を得る、そのまま保持して株主でいる。今回は高配当株で収入を得るので売るとしましょう。目標の月10万円の配当を得るはずが売却したことで遠ざかりました。では、保持したとしましょう。配当率平均4%から遠ざかるので新たな配当率が良い株を探すか、持っている株を買います必要があります。
株価が上がれば嬉しいはずですが、なぜか配当率が下がる残念な結果になりましたね。
おおいなる疑問
ここまで来ると高配当株でFIREをお勧めするインフルエンサー達は「本当に高配当株で生活をしているのか?」という疑問にぶち当たります。
回答は「本当にしている」、「実は(やっぱり)していない」、「投資や他の不労所得を組み合わせてしている」になると思います。
していると謳っているインフルエンサーが提供するブログ、youtubeに証券会社のアフィリエイトが張っていれば、それも収入源の一つになり本人たちが不労所得を得てFIREに近づいていますね。全員とは行かないまでも「している」という方の大半はしているように見せかけているが正解かなと思います。

高配当株をどう考えるのか
では、私の考えはどうかといえば、投資信託等で組み合わせていけばいいのではという考えです。
インデックスの投資信託の最大の弱点は、資産の上昇において個別株より時間がかかることです。そして、キャピタルゲインなので配当が出ないこと。
従い、キャピタルゲインは今を求め、インカムゲインは将来を求めるという考えのもとでは、いずれかは配当を生むキャピタルゲインも保持しておけばいいという考えです。
また、個別株を買うことは株の勉強として実践ノウハウをつかめます。借金をせず自分の余裕資金でしっかりと自分のルールを決めることで投資を行い、自分の判断で買い増しをするのか、売却するのかを掴むには最適と考えます。
高配当株=個別株の一つですから購入する=時間を取られることを片隅において置かないと購入したはいいけどいつの間にか疲弊していることになりかねません。
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