言葉は言霊であり人の背中を推すこともあれば、最近では中傷で人を安易に傷つけたりします。
介護業界でも職員に対して言葉でイメージアップを図ったりします。
しかし、「アットホームな職場」「やる気と笑顔」「夢に向かって」等、言葉だけ並べた求人、「感謝の言葉をいただける素晴らしい仕事」だから辛いことから逃げるな、やめるなとか、美化した言葉だけアピールしてきます。
果たしてこれで職員は納得できるでしょうか?
言葉で美化することによる3つの危険について語ります。
原因の本質を見えなくする
例えば、介護の仕事がキツイから退職したいと願い出た場合、上司から「介護は感謝の言葉をいただける素晴らしい仕事だから、もう少し頑張って」などど言われて解決できるでしょうか?
本質は介護の仕事がキツくて体が持たないことであって、仕事内容に不満があるわけではないのです。
この事例での解決方法の一つとして、家事援助でやってみて徐々に身体介護を増やしていくなどがあるわけです。
ましてや精神的に参ってやめようとしている時に。上記の言葉をかけられても背中は押されません。むしろ、気が滅入っていく可能性があるわけです。
そして、「あの人は介護の仕事には向かない」という間違えた評価に繋がります。
言葉で勇気を与えたいなら、原因を分析してそれに応じた言葉をかけなければいけません。

アピールポイントはないと言ってる
俗に言うブラック企業の求人にある「アットホームな職場」「やる気と笑顔」「夢に向かって」等の言葉。
これは当社にはアピールポイントはないですと言っているようなものです。
介護は何度も言うように給与自体は高くないため、アピールポイントは限られるでしょうが、「賞与」や福利厚生面で他とは違うものを+αしたりしてアピールできるはずです。
ですが、介護=お金がないというイメージを利用して職員への待遇改善をしないから、美化した言葉を並べるしか能がないのです。
精神論・根性論になる
上記の例で退職しよううとした時に「介護は感謝の言葉を…」と美化した言葉で納得させようとします。
これに失敗した場合、上司はこれが決め言葉のためもう言葉を持っていません。そうなると「もうちょっと頑張って」「ここを乗り越えれば楽になる」等、怪しい言葉がけになります。
努力をしてない人であれば、さすがに厳しい言葉も出るでしょう。
しかし、一定の努力をしてその上で厳しいと考えている人に「頑張れ」だの「乗り越えろ」だの言葉をかけても意味はないです。
原因の本質が見えないから精神論や根性論に頼った言葉がけになり職員が潰れてしまいます。精神論、根性論の怖いところはここにあります。

言葉に重みを付けるためには
言葉で人を動かすのは実際にありますが、それは実績・経験に裏打ちされたものがあればこそです。
また、昨今では「新しい介護」「スマートな介護」といった言葉も見られますが、介護は介護です。
美化した言葉でごまかすよりも、言葉を学び、言葉にに重みを付けれるように経験を積んでいきましょう。
コメント