介護を受けるにはどうしたらいいか、どこへ相談すればいいか、頼れる人物がいない場合、どうしたらいいのか。今回、この事件はこのような感想を持ちました。
孫が祖母を殺害した事件のことです。
概要
2019年10月8日早朝、女性(孫)は神戸市須磨区の自宅で同居する祖母の口にタオルを押し込み窒息死させた。



祖母には(孫から見て)伯父、叔母、父の3人の子供がいたものの3人共介護は拒否、孫に押し付けていた。
二人の状態と取り巻く環境
まずは、介護を受ける祖母の状態
- ・孫の両親が離婚、祖母が面倒を見ることに
- ・孫の将来の夢である幼稚園の先生を応援する
- ・気性が激しい面がある
孫の状態
- ・両親が離婚し、父方の祖母が面倒を見る
- ・生活面(金銭含む)の面倒を祖母が見てくれる)
- ・中学に精神的バランスを崩すようになり睡眠薬を服用、ただし短大生の時点では服用はなくなる
介護が必要となる環境
- ・2019年2月、祖母は自宅前の坂道で転倒入院
- ・アルツハイマー型認知症と診断
- ・排せつや身の回りのことが1人でできない要介護4の認定
- ・自宅に戻るが、靴を履かずに深夜に徘徊、近所の家の呼び鈴を鳴す程
導き出された家族の結論は「おばあちゃんを一人で家に置いておくのは危ない」と判断は妥当だったが、介護についての結論は妥当でない方向へ進むものだった。

弱いものへ押し付ける
なぜ孫が介護をすることになったのか。
- ・伯父は経営者として仕事に忙しい
- ・父は手足がしびれる病気がある
- ・叔母は小さい子供がいて面倒を見れない。
そして、叔母が小さい頃に金銭面を工面してくれたことを理由に介護を押し付ける。
まずは、この時点で何か作はなかったのかなと考えます。
祖母はデイサービスへ通っていたことから「介護サービス」の享受はあったため、介護サービスを受けていることになります。しかし、この介護サービスが妥当だったかではないでしょうか。
ところが、ケアマネジャーの女性が「(祖母の)入院を勧めたが、叔母らが拒否した」と証言する場面もあった。
このことから、叔母がキーパーソンとなりすべてを握っていたため、妥当なサービスや妥当な手段がことごとく拒否されてしまったと考えます。

キーパーソン次第で明暗が分かれる
キーパーソンとはケアマネジャー、医療関係者等とのやりとり、介護に関する判断を行う中心人物です。
従い、このキーパーソンの考えが介護を受ける人の介護サービスを決めます。
本来、介護者は孫なので孫になるべきでしょうが、おそらく伯父、叔母が介護サービスを受ける手続きを行ったので叔母がキーパーソンとなり、この孫と祖母の生殺与奪権を握ったといっても過言ではないでしょう。
孫にとっては大好きな祖母の介護のことを頼りたくても頼れる人や場所がない状態での暗中模索となり迷走することとなったのです。
次回に続きます。
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