背水の陣という言葉を耳にしたことはありますか?
項羽と劉邦の時代の中国において、韓信軍が河を背にして布陣し城壁を築き、兵力では趙軍が圧倒的に上であったが、後に逃げ道のない漢の兵士たちは必死で戦い趙軍を打ち破る戦いで、このように後がない状況で物事に挑む様を背水の陣と呼ぶようになりました。
頭を柔らかくするならば、次のテストで落第といわれ奮起して免れたという感じでしょう。
では会社の運営、経営、その他生活において背水の陣はどうなんでしょうか?
行うか死ぬかの二択
日常において仕事の二択といえば、A案、B案を出し、お互いのメリット、デメリット を考慮しながら良い方を選び実行することにあります。
しかし、A案を受け入れるかさもなければ死ぬかという2択を提示されたら皆さんはどうでしょう?
なぜ、そんな2択?極端すぎない?というかA案1択?という声が聞こえます。
私自身、このような内容をSNSで見たときは極端すぎるし、経営者、コンサルタントとしてはありえないという考えです。
経営者といえばものすごく遠い世界の人という感覚ですが、皆さんも家庭においては生活を左右させる立場にあるなら家庭での経営者です。
考えてほしいです。生活が窮屈になり友人に相談してみたら、ここからお金を借りなさい、さもなければ死を選んでくださいという提示をされたらどうでしょうか?お金を借りるではなくてもいいです。「何かを実行しなければいけないor死」、こんな選択肢しか提示できない人はトップに立つ立場としては不適格です。

デッドライン
「デッドライン」という言葉があります。直訳すれば「死の線」ですが、お金が個々までになったらやめよう、この期日までにできなければ撤収しようという感じで特に「死」を連想させるものではないです。
むしろ、ここを超えたら会社が倒産する、家庭が崩壊する。だから期日、締め切りなどを決め逆に死なないようにするための防衛の線を引く必要があります。
提示するのであれば本来は「デッドライン」です。A案、B案、C案を出し、会社の体力だったり、家庭の状況だったり、個人のスキルだったりそのようなものを加味して、経営戦略を描く、投資と貯蓄の割合を決める、資格を取るためのスケジュールを割り出し取得に向けて動く等、その会社、家庭、個人の状況に応じて動けるものを提示すべきです。
動けるものを提示なきゃいけないのに動けなるなる死を提示してどうするのでしょうか?
背水の陣
「背水の陣」を引いて奮起させるやり方を提示させたという見方を考えてみたが、「背水の陣」はもう後に引けない状態を作る前提。もう一つ前提があり韓信は自軍が急ごしらえの軍隊だから、兵士たちを死にものぐるいにさせないと勝利は得られないという考えがありそこから導き出す。
いうなれば、自軍の分析がありその陣を使う条件が揃って初めて効果が得られるのであり、選択肢に「死」を毎度の如く入れては意味はなさないです。
むしろ、そのような案しか出せないほうが終わりです。
背水の陣、聞くことあっても使うときは本当に必要なときに使うものです。そこらへんに転がっている石ころを拾うような感覚で提示して使わせようとしても効果はありません。

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